A君は宮城県○○市にあるX町に
一人暮らしをしている大学生です。

夜中に同じゼミに入っているB君が遊びに来ました。

一緒に真夜中までゲームをして遊んでおり、
夜中の12時ごろになると、
「そろそろ翌日も1限から始まるから、帰るわ。」
とB君が言いました。

「そうか、Bの住んでいるところまで車で送ってやるよ。」
というこで、B君の住んでいるY町まで行くことに。

ちなみにY町は、B町まで車で15分程度にある海沿いの町
かなり田舎の場所にあるため、電燈もありません。

また、周りは田んぼだらけの暗い県道であり、
そこをまっすぐ行くと、着きます。

しばらく、道を車で走っていると、
道路の歩道の場所に白いコートを着た女の人がうずくまっていました。

この道路は、夜中になると誰も歩かないような寂しい場所です。

「途中で気分が悪くなってうずくまっているのかな?」
ということで、A君は車を車道のわきに止めて、
女の人に近づいていきました。

女の人は、20歳ぐらいの髪の長いすらっとした人でした。

女の人は、「実は途中で道に迷ってしまい、
途方に暮れていたんですよ・・。Y町ってどこですか?
」と。

A君は、「それなら今からちょうど行くところですよ。
乗っていきませんか?」

と、いうと女の人は、嬉しそうに「お願いします。」といいました。

助手席にのった女の人は、うつむいていましたが、
顔だちもすごく整っていることがわかり、
A君、B君も気分よくなっておりました。

A君は、「こんな時間に何をやっていたんですか?」と。

女性は、「あの国道の近くに友達の家があって、
帰ろうとしたんですが、迷ってしまったんですよ・・。

A君は、あんなところに家なんかあったか?と思いつつ、
Y町が見えてきました。

「どこにいけばいいですか?」と女の人に聞くと、
このY町に入るところにアパートがあります。
ここで降ろしてください。
」と。

確かに2階建てのアパートがあったので、
そこの前で女性を降ろしました。

女性は、「ありがとうございました。」と頭を下げ、
2階に続く階段に上がっていきました・・。

そのあと、B君が住んでいるアパートへ
車を向かわそうとしたところです。

B君は、「Aのアパートに財布を忘れてしまった!!」といいました。
A君は、「しょうがないな~」ともとに来た道を車で引き返しました。

しばらく来た道を引き返していると、左のほうにはまた、
先ほどの白いコートを着た女性が・・・。

A君、B君は、思わず悲鳴をあげて、
スピードをあげてその場所を駆け抜けました。

A君「なんで、またいるの?さっき乗せた女性は・・。」
B君「そういえばさっき降ろしたアパートって、
あんまり人が住んでいなさそうなところだったよな・・。」と。
 
翌日、大学の講義が終わった後、
A君、B君は女性を降ろしたアパートに行きました。

B君が言った通り、このアパートは誰も住んでいませんでした

というより夜中なので気づきませんでしたが、
かなりさびれた感じになっており、壁などもぼろぼろな状態でした。

しばらくすると、農家のおばさんがこのアパートを通りかかりました。

おばさんを捕まえ、アパートについて聞くと、
このアパートに住んでいる住人は、
3年前の東日本大震災の津波で全員流されて、
行方不明になっているはずだよ。
」と。

あの時に女性にあった地点も、震災前は、
一戸建てや一人暮らしのアパートが何件かあったらしく、
やはり同様にすべて津波で流されていたとのこと。

女性は、自分が死んだことに気づいておらず
彷徨っている
のでしょうか・・。