私が就職した時なので、
もう20年あまり前の話になります。
私の会社は研修所が奈良にあり、
一ヶ月間缶詰めで新規採用訓練がありました。
しかし土日は休みなので、
金曜日の研修が終わったら一旦家に帰れます。
私の家は神戸なのですが、金曜日の夜に直接帰らずに、
当時付き合っていた彼女と大阪で待ち合わせて
食事をすることにしました。
久しぶりに会えたことで話も弾み、
いつの間にか終電の時間。
帰るのがめんどくさくなった私は、
大阪のホテルに泊まることにしました。
眠っていた深夜2時ごろでしょうか。
部屋の電話のベルが鳴って起こされました。
受話器を取ると、「プルルプルル」と呼び出し音が数回鳴り、
ガチャっと受話器を取る音がしました。
「もしもし?もしもーし?ん?誰?何これ?」
誰かがどこかの部屋にかけ間違えたんだろう。
あまり気にもかけずにまた朝まで眠りに付きました。
翌日家に帰ってみると、留守番電話のランプが点滅しています。
再生してみると、真っ青になりました。
「もしもし?もしもーし?ん?誰?何これ?」
留守電に残されていたのは、
昨日ホテルで話した私の声だったのです。
自分からかけなければ残せないはずの留守電に、
なぜかかってきた電話に出た自分の声が入っているの?
なら、あの時ホテルに電話をかけてきたのは誰?
そもそもたまたまあのホテルに泊まっていただけの人の家を、
どうして知っている人がいるの?
いくら考えても分からないことだらけです。
今思い出しても、不思議でなりません。
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