高校生のころ、
夏の深夜に女の子と携帯電話で話をしていました。布団を敷いた状態で、部屋は豆電球にしています。
その女の子は霊感のある子で、
普段からいつも怖い話をしてくれていました。ある晩、また怖い話をせがんだのですが、
今日はなんとなく嫌な感じがするからという理由で、
怖い話はしてくれませんでしたし、そういったたぐいの話も
今夜は無しにしてくれと言われました。どのくらい会話したでしょうか。
数十分立ったころ、携帯電話の電話口から
「うぅぅぅ」とそれは苦しそうな50がらみの
男の声が突然聞こえました。遠くから聞こえるような声ではありません。
ダイレクトに「うぅぅぅ」と鼓膜に響き渡りました。通話をしている相手は女子高校生なのに、
聞こえるはずのない声に思わず
携帯電話を投げ飛ばしてしまいました。女の子の周りには誰もいないことは聞いていましたし、
声の主がいったい何者なのか見当もつきません。しかしながら、怖い話をするなとくぎを刺されていたので、
このことはしゃべらずにいました。そうすると女の子のほうからポツリと
「霊がいる」といい始めました。女の子がいる自宅の庭にいるそうなので、
その霊のことについてアレコレと質問をし始めました。Q:どんな霊なの?
A:ただ白い靄みたいに見えるからよく分からない。
でもだんだん輪郭がはっきりしてきた。Q:どんな顔してるか分かった?
A:下を向いているみたいで顔までは分からないけど、
男の人のような気がする。Q:どこにいるの?
A:庭の木の近くにいる。もしかしてこの人、
木の枝で首つり自殺した人なのかも。質問のやり取りはおよそこのようなものでした。
そこで気づいてしましました。首つり自殺をしている苦しそうな男。
電話口から聞こえたあの声の主はまさか。。。


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