小学生の頃、夏休みは決まって
親戚の家に避暑がてら遊びに行っていました。

山も湖もある場所です。
朝からは宿題、昼からは自由に遊んでいました。

その家には、小さな女の子がいて、
この子もどこかから私のように避暑がてらきているのかな?
と思っていました。

食事時などでは見かけなかったですが、
会えばよく一緒に遊んでいました。

だけど、必ずある部屋の室内だけです。
外に出ようと誘うと『靴がないの』とよく言いました。

確かに玄関先にも縁側にも
女の子の靴は見あたらなかったです。

小学生だった私は、特に不思議に思わず、
その時だけ楽しければいいやと思っていました。

そんな楽しいだけの夏休みを数年繰り返し、
ある夏の日に、親戚の家の片付けを手伝うことになりました。

押し入れから女の子の夏服が数着でてきました。

私は、まだこの夏は女の子に会えてなかったので
今年も○○ちゃん来てるの?』と尋ねると、
親戚の人は『どうして○○を知ってるの?
と逆に質問されてしまい、戸惑ったのを覚えています。

○○は死産で生きられなかったのよ

お医者さんが間に合わなくて、
そうあなたがいつも使っているこの部屋でね…
』と言われ
少し大人になった私は、考えてみました。

女の子は成長していたし、服も毎年違ったし、
でもその年はいつも同じ服だった…あっ。

私は、服のサイズをみました。
120、130、140。今年の服はない

親戚の人にその女の子がいつも言っていたことを伝えました。
靴がないの』。