ある人の知人の怖い話だそうです。

その方はリラクゼーションサロンを経営していて、
起業したばかりの時にはマンションの一室1人で
細々と経営をしていたそうです。

そのサロンも努力が実り、
だんだんと顧客が増えていったため従業員も雇って
新しいマンションにまた一つ部屋を借りた時の事です。

自分がその部屋を訪れた時には
特に違和感など感じなかったようですが、
ある従業員が仕事のためその部屋を訪れた時、
施術ベッドはかたむいていて、物は散乱し、
置いていたはずのオイルは床に散乱しているという状況でした。

仕事をした後は必ず綺麗に掃除をしているはずでしたが、
その時は予約の時間も迫っている事もあり
従業員はとにかく急いで片付けて事なきを得たようです。

しかしその後オーナーに報告するも、
前日の最後はオーナーのお客様だったようで
きちんと片付けていたそうです。

不思議に思いながらも他の従業員もオーナーも
その出来事は流して日々の仕事に戻ったそうです。

しかしそれからも不思議な事は続き
どうにも気味悪かったようでした。

流していた音楽がいきなり止まる
何もしていないのにトイレの水が流れ出す
何か人の気配がする」などです。

そしてある日の事、従業員の1人が
仕事の全ての準備を終わらせてゆっくりしていると、
少し目を離した隙にそれまで何もなかった綺麗な床に
またオイルが散乱していたそうです。

どうにも気味が悪いこの部屋に行きたくない
従業員たちは言い出し、困ったオーナーは
ある占い師を訪ねたそうです。

占い師はその話をきいて
このお札を目立たないところにはりつけなさい。
といってオーナーにお札を渡したそうです。

オーナーはそのお札を施術ベッドの裏にはりつけ
従業員たちもとりあえず安心したそうです。

そこへ一本の電話がかかってきました。
電話をとってみると予約の女性のお客様です。

「すみません、サロンの前に気味の悪い男の人がいて入りづらいんですけど」

言われたオーナーはびっくりして急いでドアホンから玄関を見ました。
しかしもうそこには誰も写っていないのでした。