私が子供の頃の経験です。

地元が海の近くにあり、
年に数回海で人が亡くなることがありました。

この話は知り合いの子が海で亡くなってから
一年後に起きた怖い話
です。

あるとき、海の近くで遊んでいた小学生高学年の子が
海に落ちてそのまま行方不明
になりました。

地元の方々や海上保安庁の方が懸命な捜索を行ったのですが、
遺体は見つからず片方の靴が見つかった時点で捜索は終了しました。

学校から「○○さんが海で亡くなりました。
しばらくは付近で遊ぶことを禁止しますので必ず守ってください」
と通達があり、子供心に「海は怖いところだな」と思いました。

翌年に小学校六年生となった私たちは、
学校最後の思い出作りに夏休みに体育館でお泊り会を行いました。

心霊体験はこのときにおこりました。

私の通っていた小学校は、体育館と校舎が連絡通路で繋がっており、
体育館側から3年生、4年生、5年生、6年生の順に学級がならんでいました。

本格的な肝試しが始まる前に怖い物無しの友人数人で
真っ暗な校舎に行ったときに事件は起こりました。

廊下の遥か先の6年生の教室に
白っぽい人影が入っていくのが見えました。

最初は「あれ○君かなあ?」とみんな言っていましたが、
誰かが「○君さっき体育館にいなかったっけ?」と言いました。

念のため、体育館に戻って確認しましたが、○君はいました。

あわてて戻り、「○君じゃないよ!体育館にいたし!」
といったところみんな顔を見合わせました。

「じゃあ、あれは誰なんだ?」と。
ひょっとして去年亡くなった○○君が出た?」
と誰かが言いました。

それからはパニックになって体育館に戻りました。

保護者や先生が教室を見に行ったところ、
誰もいなかったとのことです。

その日は予定していた肝試しは中止となりました。

今でも思いますが、お盆が近かったので
待ち切れずに早く帰ってきたのかもしれません。

でも、彼はすでに彼岸の彼方に逝ってしまっています。

心の中で「盟友よ、彼岸の地にお帰りください
そして安らかにお眠りください」と思い、
改めて冥福を祈りました。