霊感の強い人と接触すると霊感がうつる場合がある。
そんな話を聞いたことはあるでしょうか。小さい頃からいわゆる「霊感」のようなものが
無いわけではありませんでした。ただ姿は見えず、なんとなく気配を感じたり、声をきいたり、
何か気持ち悪いなとおもうような場所があったりと、
いうなれば「感が鋭い」レベルのものでした。そんな私が、霊感を「もらってしまった」体験を
お話したいと思います。大学4年の時、卒業旅行にとUSJへ
サークル仲間と行くことになりました。私が住んでいた地域から大阪行きのフェリーが出ており、
それを利用して0泊2日の弾丸で行ってきました。USJで遊んだ帰りの船で、
大阪の大学から私たちの地域に遊びに行く
大学生グループと出会いました。年齢も同じということもありすっかり意気投合した私たちは
船内の広場に椅子を円く並べ、当時仲間内で流行っていた
ゲームをしていました。私たちの仲間が5名、大阪の学生さんたちが
6、7名ほどいたかと思います。楽しい時間はあっという間に過ぎ、
時計は深夜をまわっていたと思います。周囲は私たち以外誰もおらず、
消灯時間を過ぎたのか広間も
薄暗い雰囲気だったのを覚えています。私は円くなった椅子たちの、
ちょうど広間の通路を背にする位置に座っていました。するとすぐ後ろに誰かが立っている感覚がしたのです。
何気なく後ろを振り向きましたが、
ただ薄暗い空間がつづいているだけでした。私の「感の良さ」を知っている友人が気をきかせて、
壁側の自分の席と変わってくれることになりました。友人が座っていた壁側の席の隣は、
華奢できれいな顔をした大阪の学生さんでした。私が席に座るや否や彼女は私に向かってこうつぶやいたのです。
「〇〇ちゃん、見えてるんでしょ?」
一瞬なんのことかわかりませんでしたが、
すぐに先ほど感じた気配についてのことだと気づきました。「いや、なんか気配を感じたから、振り向いただけなんだけど」
私がそういうと「〇〇ちゃんの感、間違ってないよ」
「だって後ろに3人いたもの」と言って私の肩に触れました。その瞬間、今まで私が背をむけていた広間に、
白っぽい影がたくさん浮かんできたのです。ある影は外の甲板を行ったり来たり、
またある影は広間にある自販機から顔を出したり
ひっこめたりしていました。私は恐ろしくなってその場から動くことが
できなくなってしまいました。船を降りても、彼女にうつされた霊感はしばらく私についてまわり、
大学を卒業し別の土地にうつるまで「見える」現象は続きました。このような話、信じていただけるかわかりませんが、
私のように「感の良い」かたはむやみに霊感の強い方と
接触しないほうが良いかもしれません。


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