実話に基づく怖い話です。
6人構成のごくごく普通の家族に起こった話です。
お爺さん、お父さん、お母さん、長女、次女、長男、
の6人で幸せに暮らしておりました。ある日、長女が家の中で宝探しをして遊んでいると、
たんすの奥から綺麗な色をした長方形の
手に乗るサイズの箱が出てきました。長女はその箱を興味本位で開けました。
すると、中には綿にくるまれて大事にされている
へその緒が入っていたのです。その時長女はそれが何なのかよく分からず、
ただただ気味が悪いと感じました。その夜、長女はお母さんに尋ねてみました。
すると、お母さんは驚いて何も言わずに
へその緒が入った箱をしまいました。その日の夜は蒸し暑く、寝つきにくい夜でした。
長女は自分のベッドに入りしばらく目を閉じていました。すると、頭の中に声がしてきました。
「お母さん、どこにいるの?」と。びっくりして目を開けてみると、
足元に小さな女の子が立っていたのです。こっちを見て「お母さん、どこにいってしまったか知ってる?」
と尋ねてきました。長女は怖くなってしまい、布団にもぐりながら
「ごめんね。あなたのお母さんは知らなあい。」と言いました。そのまま眠ってしまい気づけば朝になって明るくなっていました。
長女は安心してお母さん達がいる食卓へ向かったのです。「おはよう。」と長女はいつもどおり挨拶をしましたが、
皆の様子がいつもと違うことに気がつきました。お母さんは「こっちに来て、話したいことがあるの。」と
なんだか真剣な表情をしています。その話とは、長女が見つけたへその緒についてのことでした。
昔、この土地で火事があったそうです。
その時、幼い女の子だけが取り残されてしまい亡くなりました。しばらくして、その子のお母さんは
子供を失ったショックで亡くなってしまいました。不思議とその女の子が使っていた物が
時々家の中から出てくるのだそうです。それは今までお母さんにしか分からなかったそうですが、
この時初めて長女が見つけてしまったのです。そのことを聞いた長女はとても悲しくなりましたが、
同時に怖くなり、昨日の夜の出来事をみんなに話しました。しばらくして、家族みんなでお寺にへその緒を持って供養にいきました。
それからは、その女の子の物が出てくることもなくなり、
長女も安心して暮らしていました。でも、それから数年後、また火事が起こり家は全焼してしまいました。
取り残された長女は亡くなってしまいました。数年後、また新しい家族が越してきました。
家は建て替えられて火事が起こったことは皆が忘れていました。時々、今でも長女の使っていた物が家から出てくるのを
お母さんは見つけてしまいます。


2019年1月22日 at 12:05 PM
すごく怖かった