これは、10年前に私の父が実際に体験した怖い話です。
父は、建設業の仕事をしており、
全国各地をまわっていました。そんな慌ただしい中ある時、
新潟県に赴任することになりました。赴任中は、新潟県の山近くのある旅館で
お世話になることになりました。その日は、仕事を早めに切り上げ
職場の同僚達と深夜まで楽しくお酒を飲んでいたそうです。飲み会も終わり、父は旅館の露天風呂に入りに行きました。
その露天風呂は、男性と女性が入れる日が決まっており、
その露天風呂は男性が入れる日だったそうです。露天風呂に入り、露天風呂から見える山や
生い茂る木々を見てとても気持ちよくなっていたそうです。その時でした。
父の背後から、声が聞こえてきました。「…..おいで」か細い声でした。
父は、よく聞き取れずそら耳だと思いました。するとまた、「おいで」と女性の声が聞こえてきました。
父は、「え?」て思い空耳でないとハッキリと分かりました。間違えて女性が、露天風呂に入って来たと思いました。
とりあえず振り返って女性の姿を見てはいけないと思い
「今日は、露天風呂は男性の日ですよ。明日来てください。」
と振り返らず伝えました。すると、女性が「こっちへおいで」と泣きそうな声で言ってきました。
父は、ふざけてるのかと思い、思いきって後ろを振り返りました。誰もいません。血の気が、サーッとなりました。
その時です。耳元から、「こっちへおいで!!」と
怒鳴り声が聞こえてきました。父は、「ワーッ!!」と叫びながら裸のまま旅館の部屋へ向かいました。
すぐに「同僚達に女性の幽霊がいたぞ!!」と知らせましたが
同僚達は、父が酔っぱらっていたことと疲れで幻聴が聞こえたのだと
信じてくれませんでした。翌日、父はこの事を旅館の人に話すと旅館の人は、
「実は、このあたりは、昔自殺した人が多いんですよ」と言われたそうです。それから、父は露天風呂に一人で入るのはやめたそうです。


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