私が中学生時代に体験した出来事です。

私の通っていた学校には野外活動というのが
2年生の頃に行われるのですが、
山奥の合宿所に1泊2日し、
現地の人に踊りや伝統芸を学ぶというもので
歴代続くイベントだったようなのです。

当時私の周りには所謂、
霊感の強いと言われる友達が何人か居ました

私は霊などを見たことも感じたこともないので
その時は半信半疑だったのですが、
その野外活動1日目、嫌でも体験することになるとは
思いもしませんでした。

その日は合宿所から少し離れた体育館で
お昼から夜にかけて現地の踊りを教わったたのですが、
その練習中に突然、私の隣に居た霊感の強い女の子、
A子が悲鳴を上げ倒れた
のです。

私は一瞬虫か何かだと思ったのですが次の瞬間、
その少し離れた所にいた霊感の強い別の女の子が
同じく悲鳴を上げ倒れた
のです。

先生や地元方々に担がれ、
2人の女の子は医務室へ運び込まれました。

その後も何人かの生徒が体の不調を訴え
医務室に運ばたりというのが続くので
流石にこのまま続けるのは難しいだろうということで、
練習は少し早めに切り上げられ、合宿所に戻り
体を休めるようにということになりました。

その後の先生方の説明によると、
長時間の練習による脱水症状だろう、
とのことだったのですが、私は何かに怯えたような
その友達の子の表情が忘れられずにいました

合宿所に戻り各部屋に6人づつに別れ、
荷物の整理やテレビを観たりとくつろいでいた頃、
霊感の強いA子が医務室から戻ってきたので
様子を聞いたのですが、
A子は「足首を掴まれて引っ張られて意識を持って行かれた
と言うのです。

その話に怖くなった1人の女の子が
窓を開けて空気を変えようとした時、
窓は開けない方がいいよ、テレビもやめた方がいい
と続けてA子は言ったのです。

その後すぐの事だったと思います。
今まで観れていたドラマがCMをあけたとたん砂嵐に変わったのです。

私たちはゾっとしました。

他のチャンネルに回してみても
今まで映っていた番組も砂嵐しか映らないのです。

その時は咄嗟に壊れたのかな、と場を誤魔化し
お風呂を入るため大浴場に行こうという話になりました。

体調があまり良くないというA子と少し風邪気味だった私は
後で行くと告げ部屋に残りました。

正直、彼女が大浴場に行きたがらないので、
怖くなって私も行く気にはなれなかった
のです。

その後A子と部屋でトランプをして待つことにしたのですが、
途中で私はトイレに行きたくなり立ち上がりました。

すると、A子は「今はやめた方がいいよ。
行くなら隣の部屋のを借りよう
」というのです。

私達の各部屋にはお風呂とトイレが付いているのですが、
彼女の言葉でトイレに行きたかった気持ちも
どこかへ行ってしまいました。

その時、大浴場から同室の子たちが帰って来るなり
いきなり停電してびっくりした」などと言うのです。

しかし私達の部屋は普通に電気がついていましたし、
他の部屋の子たちからもそんな話は一切出ませんでした。

その時は誰かの悪戯かな、という話で収まったのですが、
その後、同室の女の子が部屋のトイレを使った時です…

入ってそんなに立たないうちに女の子は勢い良く出て来るなり、
「そんなに強くノックしなくてもいいのではないか」と怒ったのです。

もちろん私達はノックなんてしていませんし、
誰も扉に近づいてすらいません。

その後も何人かの生徒がそのトイレを使ったのですが
やはりノックの音は聞こえるのです。

しかも良く聞くと隣にあるお風呂の浴槽の中から聞こえることも分かり、
怖くなった私達は早めに寝ることにしました。

布団も敷き終わり、部屋を暗くしてさて寝よう、
となった時です。

上の階では枕投げでもしているのでしょう、
ドタバタと馳け廻る音が聞こえました。

そこで見回りに来た先生には
煩くて眠れないので注意して欲しいと頼んだのです。

しかし、先生は不思議そうな顔で、
上の階は空いていて誰も泊まっていない、と言うのです。

私達は声を失いました

後々、施設の人に強引に聞き出した話によると
数年前、私達が泊まった部屋の真上の部屋で
当時イジメられていた生徒が窓から身を投げ自殺をした、
その時からその部屋は使われていない、ということでした。

そして、飛び降りた窓は、A子が開けない方がいいと言った
窓の丁度真上の窓だった
そうです。

また、その生徒はトイレに閉じ込められ
ひたすら浴槽の縁を叩き助けを求めていたそうです。

しかし何故真下の私達の部屋にだけ
そのような怪奇現象が起こったのか
、まだよくわかりません。

しかし、A子の言うことを聞かず、
あの時もし、部屋の窓を開けていたら

どうなっていたのか怖ろしくて想像もしたくありません