まだケータイが都市部でしか電波が入りづらかった時代の
香川県綾川町という小さな町に、ケータイの基地局を設置するときの話です。
町の中でいちばんケータイを使う人口が密集する地域を
ケータイ会社が調査したところ、ダントツで山越うどんという
個人店のうどん屋さんだったことがわかりました。
これにはケータイ会社の人たちも納得して、
この町で真っ先にケータイの電波が拡充されたのは
この山越うどん周辺だと言われています。
実際、田園風景がひろがる人口の少ないのどかなこの町を車で走っていると、
突如大きな駐車場を備えたお店が現れ、大行列が出来ています。
昼時に走っていると、県外ナンバー、香川ナンバーの車が
ぞくぞくとこの駐車場に吸い込まれていきます。
車どおりが少ないこの町では、他の車についていけばこのお店に着きます。
山越うどんはアツアツの麺に卵を乗せて食べる
釜玉うどん発祥のお店と言われていて、
当初は小さな小屋だったのがどんどん広くなって
立派な庭で外でうどんを食べるスタイルを確立しています。
中庭にはお土産屋さんやデザートの
アイスクリーム屋さんまであってさながら小さな村です。
釜玉うどんも、お店が提供し始めるより先に、
お客さんが自分で卵を持ち込んで釜玉にして食べていたのが好評で、
メニューに取り入れられたというから究極の地域密着です。
ケータイの話の真偽は定かではありませんが、
香川県でのうどんの人気ぶり、地域に溶け込んでいる感じをみると、
それも確かではないでしょうか。
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