5年前、家族全員が体験した怖い話です。
私は会社の帰り、いつも通りに駅から自宅までの道を歩いていると
誰かがついてくるような感じがしました。思い切って振り返ってみると、
3m程先に黒い人のような影のような物がゆらゆらしていました。そしてスーと近づいて来るのです。
こんなことは初めてだったので、
すぐにそのまま走って家まで帰りました。その間もハーハーという音が耳元に聞こえていました。
息を切らしながら家に入ると、家族が青い顔をして話し込んでいました。「一体どうしたのか。」
と聞くと母が「黒い人みたいなのに追いかけられなかったか。」と聞いてきました。「今追いかけられたよ…。」言うと、
「実はみんな黒い人を見た。」というのです。詳しく話を聞くと、母は夕方パートの帰りに、妹は放課後、学校の廊下で、
弟は塾の帰り道にそれぞれ黒い人に追いかけられたそうです。弟は「ちょっと待って。」と聞こえたそうです。
私達は少し追いかけられただけですが、
父はその日一日中、黒い人に付きまとわれていたようです。部署フロア、営業先、トイレ、食堂、と気づくと後ろに立っていて、
仕事どころではなかったそうです。帰宅時も車で走っているのにバックミラーを見ると、
ゆらゆらと一緒についてくるので事故るところだったようです。気味が悪いなと思っていると、突然「ピンポーン」とインターホンが鳴り、
モニターに黒い人が映りました。皆で固まっていると、
「みんなごめんね。ひどいことして。僕が間違っていた。許して欲しい。」
と聞こえました。その声はおじさん(父の兄の)声でした。
父と叔父はとある事でもめて、
おじさんが一方的に私達に嫌がらせをしていて、
絶縁状態になっていました。何かあったのかもしれないと、親戚に電話をすると、
さっき亡くなって連絡しようと思っていたと言われました。ガンが進行し、その影響で肌が黒くなっていたそうです。
最後に仲直りをしたかったのかなと思いました。弟に声をかけたのも、弟がおじさんをとても慕っていたからだと思います。


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