その日は娘の誕生日会で、
娘の友達が何人も集まりました。ところが一番仲の良い友達がなかなか来ません。
娘はその友達がこないと誕生日会を始めたくないようで、
待ち続けていましたが、他の友達もいるため
ずっと待ち続けるわけにもいきません。娘を説得して誕生日会を始めました。
はじめは誕生日会を始める事をぐずっていた娘ですが、
やがて他の友達と楽しく過ごしていました。おしゃべりやビンゴゲームをやったり、
ケーキを食べたりとすっかり誕生日会を楽しみ、
そして誕生日会が終わりました。結局、一番仲の良い友達は来ないままでした。
その事が気にかかったのか娘は少し寂しそうな顔をしていました。誕生日会の後片付けをしていた最中、
急に娘が二階の自分の部屋に急いで駆け上がっていったのです。しかも嬉しそうな顔をしてです。
そして娘しかいないはずの部屋で
楽しそうに誰かと会話をしているような感じで喋り出したのです。娘が心配になって私も娘の部屋へ向かい、
部屋に入ったのです。いざ、部屋に入ってみても娘の姿しかありません。
隅々まで見渡してもやはり娘しかいません。私は娘に「誰と話してるの?」と聞いてみると
娘は誕生日会に来ていなかった、
一番仲の良い友達の名前を言ったのです。私には姿が見えないので「どこにいるの?」と聞くと
ベッドの下を指さしました。私がベッドの下をみると、そこには娘の友達がいました。
しかし、顔はひしゃげ、全身血まみれで
私は思わず悲鳴をあげてしまいました。その後、分かった事ですが
その友達は誕生日会の日に交通事故に遭い、
亡くなっていたのです。最後に娘に会おうと部屋に来たのかもしれません。


コメントを残す