今から10年以上も前の話です。
当時私は高校生で、アルバイト先の友人たちと
休日に出かけることになりました。
メンバーには大学生もいて、
車を出してくれることに。
皆ラーメンが好きだったので、
車で行ける距離にあるラーメン屋さんを
数件巡ることにしました。
午前中に一件、お昼過ぎに一件と
都内のラーメン屋さんを巡り、少し休憩して夕方ごろ、
神奈川県のあるラーメン屋さんに行くことになりました。
雑誌に載っているお店ですが、結構な山奥にあるところ。
車を出すときでないと行けなさそうな場所なので、
少し遠いけど是非!となったんだと思います。
友人の車にはナビなんてついておらず、
当時はスマホもないので、一生懸命地図を見ながら
そのラーメン屋さんを目指しました。
慣れない土地で迷ったりもしましたし、
思ったより遠いようで、気づいたら辺りはもう暗くなっていました。
山のほうなのでビルもなく外灯も少なく、
車のライトがなければ周りがほとんど見えない状態。
とはいえ友人らと盛り上がっていた私は何とも思わず、
早く着かないかな~お腹すいたな~と、
そればかり考えていたんです。
人通りもなければ車も滅多に通らないような
山道を走っていると、いつのまにか前方に
一台の車が走っていることに気づきました。
いつからいたのかはわかりません。
友人たちに聞いてみても、運転していた友人でさえ
「いつからだっけ?」という返答。
「でも、あまりにも誰もいない道だと思ってたから、
他の車がいてちょっと安心したわ」
そう運転手である友人が言うと、
皆「たしかにそうだね」と笑いました。
ほぼ一本道なのでしばらくその車の後ろを走っていると、
ある場所で左に曲がったようです。
地図を見る限り私たちが目指すラーメン屋さんへ行くには
その付近を右に曲がる予定なのですが、
十字路のようにでもなっているのかな?と思い
「このへんで右だよね」と私が運転手に言うと
「あ、そっか。右か」と言いながら右折しました。
後部座席にいた私はなんとなく、
右折した後、振り返って後ろを見たんです。
本当に、なんとなくでした。
あの場所に、左折できる道はありませんでした。
暗くてよくわかりませんでしたが、
おそらく崖のようになっていたのではないかと…。
もちろん、左へ行ったはずの車も見えませんでした。
右折したあと、運転手の友人は
「前の車が左行ったからつられそうだったわ(笑)
右って言ってくれてありがとうなー」と言っていました。
あのままつられて左へ曲がっていたら、
どうなっていたんでしょうか…。
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