日本の最凶のカルト宗教といえば、
オウム真理教を思い浮かぶではないだろうか?
しかしオウム真理教以外でも残虐と言われたカルト宗教による
殺人事件が福島県須賀川市でおこっていたそれは、
自称祈祷師の江藤幸子が「キツネの霊が憑いてる」などと言って、
暴力で信者7人もを死亡・傷害させた「福島悪魔払い殺人事件」だ。
この事件の主犯の江藤は建築の現場職を務める夫と
4人の子供にも恵まれたごく一般家庭の主婦であった。
ある日に夫が仕事中で腰を痛めたことが原因で
仕事ができなくなり収入が入らず家計が苦しくなった。
江藤も主婦をやる傍ら化粧品のセールスレディで稼いでいたが
それだけでは支えることはできない。
夫も仕事復帰できず次女までも病気を患い、
不幸が重なって苦悩を感じた江藤は
夫を連れて某新興宗教に出会い入信したが、
あまりにお金に苦しんでいたためか
他の信者らにお金を貸し回っていたことが原因で、
数年ほどでその教団は脱退してまたセールスレディを再開した。
ある日に客が「最近肩こりに悩まされてる」と相談を受けた。
その時江藤は入信していた新興宗教で行っていた
病気など悪い部分に手をかざして癒す「手かざし」の儀式を思いだして
見よう見まねで「手かざし」をやってみた。
本当にそんな能力があったのかは実際わからないが、
肩こりが軽くなったらしくそこから近所で噂になって
相談を受けては「手かざし」の儀式をした。
江藤自身はまだ当初は半信半疑であったが
「先生のおかげで治った」と謝礼を包む者まで現れた。
信者が信者を呼ぶようになり、多額のお布施も集めて
江藤の家で集団生活を行うようになったのが地獄の始まりであった。
江藤は段々エスカレートしていき、
信者たちは江藤に対して「様」をつけて呼んでいた。
江藤に逆らう者、自分の機嫌を損ねた者は
「悪いヘビの霊がいる」「キツネが憑いている」などと言って
除霊と称して「キツネ出ろ!」と叫びながら激しい暴力を振るって
命を落とした者も出てきた。
集団生活の8ヶ月後に重傷を負った信者の一人の入院で
家宅捜査が入り江藤幸子は逮捕されて警察が捜索すると、
6人の遺体が寝かされていたようだ。
江藤は傷害致死罪と殺人罪で死刑が判決され、
そして13年後の平成24年9月27日に死刑執行された。
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