これは私が小学校5年生の時に体験した話です。
当時は静岡に住んでおり、
夏休みに入りたての祭りに
友達とワクワクしていたのを覚えています。祭りは小規模なものであり、
山の横の小さな神社で行われておりました。神社の横には長く続く列記の入った階段があり、
そこを登ると小さな祠、賽銭箱と鐘があるという、
少し不思議な場所でした。子供の私達には特に怖いわけでもなく、
意味すらあまり知らなかったた為、
純粋にお昼から祭りを楽しんでいました。大人の方々が流しソーメンを作ってくださったり、
茂みや階段を使って鬼ごっこをしたり。その時でした。
鬼ごっこをしていた友達が階段で滑り、
鐘の紐を引っ張って落としてしまったのです。幸い怪我もなく、紐も古かったからと大人の方もあまり気にせず、
応急処置で紐と鐘を何かで天井に繋げておりました。それからでした、
色々なことがおかしくなったのが。最初は小さなものでした。
友達の体調不良、自転車のパンク。
車など通れない場所から聞こえるクラクションの音。階段の手すりが一部壊れる、など。
この頃にはもう日は落ち始め、
少し不気味だと皆が騒ぎだしました。それでも私達は子供、幽霊やおばけ探しなどが大好き。
大人の方々が帰った方がいいと言ってくれたにも関わらず、
私達は遊び続けました。そし恐らく20時を超えた頃、
1人が「心霊体験をしよう!」と言い出しました。もちろん私を含め全員が賛成。
私を含め計11人だったため
3人、3人、3人、2人にチーム分けをしました。私は2人チームで順番も最後。
前のチームが出発して5分で次のチームが出発という流れ。私達の順番。他のチームは帰ってきてません。
コースは1キロもない為、帰っててもおかしくはなかったのですが、
特に気にせず出発。正直見慣れた景色であったため、
絶叫するほど怖くはなかったです。暗い道、田んぼに囲まれているのは怖かったですが、
まあこんなもんだろう、と思ってました。そして何故かふと、後ろを振り返りました。
少し遠くのビニールハウスの奥の道の方に
3人の手を繋いだ子供が歩いていました。その子達は身長的に、かなり幼かったと思います。
4~5歳ほどでしょうか。怖いという気持ちより、危ないという気持ちが
大きくこちらへ来るのを待っていました。ところが、ビニールハウスの影に消えたと思いきや、
そこから一向に姿がビニールハウスの影から出てこないのです。少し、いやかなり恐怖を覚え、早歩きで先に進んだ時、
大勢の人が目の前に。驚かせようと隠れていた7人の友達たちでした。
そしてその直後、後ろから肩を叩かれました。最初にゴールした3人の友達でした。
もう私達2人は怖さのあまり泣き出し、
祭りの会場に戻りました。おかしな点、いくつもありますよね。
まず最初にゴールした3人は遅いから心配して迎えに行ったが、
歩いて来たにもかかわらず私達2人が見た子供を見ていないということ。何故暗かったのに詳細に子供が見えたのかわからないということ。
隠れていた友達が「7人」だったこと。
3人はお迎え、残りは6人しかいないはず。残りの1人は…?
そして「心霊体験をしよう!」と発言した人が、
いなかったこと…。私達は怖くてたまらず、祠の前で謝り続けました。
1人を除いて。
そして友達の保護者がみんなを家まで送ってくださいました。
1人を除いて。
1人は怖がりもせず面白がり、1人で帰っていきました。
そして夏休み明け、学校に彼はいませんでした。祭りの日、団地の階段を踏み外し、
亡くなっていたそうです。かばんの中には、小さな鈴が入っていたそうです。
思い返せば、彼は鐘の紐を引っ張り落とした張本人だったのです。鈴を盗み、謝ることもしなかった彼。
私は初めて「祟り」を信じました。もしあの時彼が詫びていれば、
もし鈴を持ち帰らなかったら…もし私が鐘を落としていたら、
もし私達が詫びを入れなかったら…
今思い出しても、ゾッとします。忘れていましたが、
あの子供や提案をした「誰か」はなんだったのでしょうかね…。


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