自分の住んでいる地域では、
お盆にご先祖様を墓地に迎えに行き
おんぶして家につれて帰るという習慣があります。毎年お盆の初めに家族でご先祖様を迎えに行くのですが、
年々部活や仕事の関係で家族全員で
というのが難しくなってきました。そのため、母が一人で
迎えに行くことが多くなってきたのです。自分が中学生の時も、部活に行く前に母が
「今日ご先祖様迎えに行ってくるから。」と言っていました。夕方、部活を終え家に帰ると何か静かでした。
リビングにはテレビが付いており、
台所では母が料理を作る音が聞こえていましたが、
なぜか異様に静かな感じがしたのです。もしかしてと思い「母さん、お墓行ってない?
ご先祖様迎えに行けてない?」と母に問いました。すると「よくわかったね、
これから行こうと思ってたところなのよ」と母が言いました。それまで心霊系とは無関係に生きてきたものですから、
ただの勘とはいえ、不思議なこともあるものだなと思いました。数日後、お盆も半ばに差し掛かると
お坊さんが拝みに来てくれました。これもまた毎年のことでした。
ただ、ここでもいつもと違うことが1つありました。なんだかお経を聞いている人数が多い気がしたのです。
もちろんその場には家族しかいません。しかしながら、気配とでも言いましょうか
普段感じないような感覚があり、
その方向を向くとうっすらと人が居るよう居ないような。お坊さんの説法も終わり、再び母に問いました
「うちのお墓にいるご先祖様の中で、赤ちゃんて居る?」
母は驚いていました。「あなたには話したことがないけど、
おじいさんの前の奥さんはおなかに子供が要る状態で
亡くなったのよ」と母は言いました。偶然もここまでくると真実なのでしょうか。
私はその時いるような気がした人の特徴を挙げていきました。母の顔は少しずつこわばっていったので、
自分の顔もこわばりました。夏なのに、
少しひやりとした風が部屋の中に吹きました。


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