わたしが小学5年生の時の話です。
夏休みのある日、
近所の友達のAちゃんととある計画を立てました。それは、夜中の1時に集まって
町内を肝試ししようというものです。もちろん親には内緒です。
小学生にありがちな親に内緒という後ろめたさと、
夜中に家の外に出るというわくわく感で
寝たふりをしている布団の中で、
ソワソワその時間が来るのを待っていました。そして、約束の時間の5分前、
そっと家の勝手口から出かけ、
待ち合わせの場所に向かいました。まだAちゃんは来ていなかったので、
電灯の下で来るのを待っていました。その電灯から20メートルほど離れた曲がり角に
電柱が立っていたのですが、そこが視界の端に入った時に
何となくぼーっと白いものが目に映りました。ん?と思いそちらのほうを見ると、
暗がりの中に白いワンピースを着た
髪の毛の長い女の人が立っていました。子どもながらにこんな時間にあんなところに
女の人がいるわけがないと感じ、とても怖くなり、
友達を待たずに走って帰りました。走り出す間際に、
女の人がこちらのほうを向いた気がしてとても怖く、
布団をかぶって朝まで過ごしたのを覚えています。次の日、友達にどうして来なかったのかと聞くと
寝てしまっていたとのことで、
電柱の横の女の人のことを話し、
夜中の肝試しは中止することにしました。夏休みも終わり、そのことは私とAちゃんとの
二人だけの秘密になりました。そんなある日、教室で夏休みのことを話していると、
Aちゃんとは別の友達が、親と車で出かけ、
夜中に私が白い女の人を見た電柱の角を
車で曲がろうと車のスピードが落ち、
友達が電柱のほうを見たときに、
外から白いワンピースを着た髪の長い女の人が
車の中を覗いていとても怖かったという話をしましてきました。私とAちゃんはもちろん夏休みの出来事は誰にも話していません。
その話を聞き、とても怖くなり、
それからその道を通るのをやめました。


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