これは以前、アルバイト先の店長に聞いた怖い話です。
私はとあるプラモデル屋さんで
アルバイトをしていた時の店長が
昔ヤンチャをしていた人らしく、
その時の武勇伝などをよく聞かされていたんですが、
その中に一つ気になる話があったのでご紹介します。店長は、まぁ信じてくれないと思うけどと言って話を始めました。
店長が20歳前後の頃、店長と当時付き合ってた彼女と
店長の友人とその彼女の計2組のカップルで
深夜店長の車でドライブに行ったそうです。最初はただのドライブのつもりで車を走らせていたのですが、
工場の跡地のような廃墟を発見。友人がどうせなら肝試しをやろうと言い出し、
本来怖いものが苦手な店長も当時はヤンチャをしていたせいか
断らずにそこへ行くことになりました。怖がる彼女にいい格好をしたい二人は調子に乗って持っていた
ビデオカメラを回しつつ工場内を探索しました。中は以前にも誰か肝試しに来た形跡があり、
落書きやお菓子の袋が捨ててあったりしたそうです。内部はたしかに不気味な雰囲気はするものの
特にこれといって奇怪な現象もなく、
友人とただ脅かしあって肝試しを終了したそうです。その後は普通に日常生活を送っていたそうなのですが、
ある日店長が車でその友人宅に遊びに行く途中、
肝試しに行った日にビデオを回していた事を思い出します。後部座席に置いてあったビデオカメラを手に
友人のアパートに入りました。アパートには友人とその彼女が居て、
店長らはビデオカメラの映像を観てみることにしました。映像には変なものは映っておらず、
店長たちが廃墟ではしゃぐ様子が映っていました。が、音声に掠れた声で「撮るな」と言っているのが録音されていました。
友人の彼女は怖くなって観るのをやめようと言いましたが、
友人は店長が怖がらせようとして
自分で「撮るな」って言ってただけだと主張しました。もちろん店長はそんなこと言ってなかったそうです。
なんだかんだでビデオを観続けると最後に、
工場の机の上にカメラを置き、
四人でふざけ合ってるシーンが撮られていました。その後、飽きたのか全員が廃墟から出ていく様が
固定されたカメラに収められていてそのままビデオは終わっていました。友人と店長はあんまり怖くなかったと笑っている中、
友人の彼女はがたがたと震えていました。どうしたのと聞くと、友人の彼女は
「どうして忘れてきたカメラがここにあるの?」と答えました。店長はあれ以来その廃墟には行ってないですし、
肝試し当日も机にカメラを置いて回していたことも
すっかり忘れて廃墟を出ていました。その後そのビデオカメラは神社に持って行って処分したそうです。


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