あれは我が家に愛犬を迎えてから
あまり日数が経っていない頃だったでしょうか。
寝室に隣接しているリビング。
そのリビングのケージの中で
夜の間は過ごす様にしていた愛犬。
もとより大人しい子で鳴き声を出す事は
当初より滅多にありませんでした。
それでもまだ仔犬という事もあり、
私と小学生の息子がしばらくの間
リビングにお布団を敷いて寝る事にしていました。
仔犬もケージの中から私達が確認出来ますし
安心する様でした。
その日もいつもの様にリビングに
お布団を敷き眠っていました。
明け方でしょうか、
夜中ではなく早朝の頃だったと思います。
そんな時間に鳴き声を出した事の無かった愛犬が
『クゥ~ン、、クゥ~ン』と鳴くのです。
鳴き声で目が覚めたくらいです。
しばらくは躾の点から知らない顔をしていた私。
しかしながら知らない顔が出来ないくらい鳴いています。
よくよく聞いていると、その鳴き声はとても悲しいというよりも
何かを怖がっている、怯えている様な感じでした。
ですのでケージの方へ目をやってみると、
ケージの隅の方で丸くなり縮こまる愛犬が見えました。
明らかにおかしい愛犬です。
身体の具合でも悪いのか?
身体を起こし様子を見ましたが
どうもそんな感じではありません。
何か、、見えない何かがケージの前に立ち
それに対して怖がっている・・・そんな感じだったのです。
それでも、鳴き声はいけませんので、
『ダメだよ!シィ~!! 』と声掛けをした私。
すると鳴き声が収まり少しトーンダウンしました。
何かに怖がっていたのは気のせいか、、
とお布団に戻った私。
すると、、何かが私の布団の端を、、
端を踏んで立っている感覚に襲われました。
何かに見下ろされているそんな感じです。
身体を起こしたいのですが動きません。
これがいわゆる金縛りってヤツ?
初めての経験でした。
その後、その何かは私の布団の端を
真っすぐ壁の方に向かって歩みを進め・・・
布団が踏みしめられ沈むので
その感覚は間違いありません。
まっすぐ壁に向かって進んで・・
そのまま壁の中へ?
しばらくした後、
金縛りは解けました。
愛犬も静かに眠りだしました。
何だったのでしょうか。
何年経ってもその感覚を忘れる事はありません。
何かが布団で横になっている
私の横を通り過ぎたのは事実です。
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