これは、私自身が実際に体験した出来事です。
子供の頃から私は霊感がありました。
初めは絵に描いたように半透明であったり
腰から下が見えなかったりと、
明らかに幽霊だとわかるレベルの見え方をしていました。
そのことを、私の祖母に相談したところ
数珠を使ってブレスレットを
お守り替わりにと作ってくれました。
それから何年もブレスレットを身に付けていたのですが、
徐々に幽霊の見え方がハッキリ見えるようになって、
その辺にいる人たちと何ら変わりないほどに…
内心、お守りとして効果があるのだろうかと
疑ってしまう自分がいました。
そんなある日、高校生の私は剣道の大会の為に
自転車で会場に向かう途中の
橋の上で奇妙なものを発見しました。
それは、川の中に一人の女の人が立っていたのです。
彼女はこちらを見ていました。
大会前で集中と緊張と遅刻しない為に
急いでいたのですが、余りにも不気味で
つい速度を落としてそちらに目をやってしまいました。
すると、川の真ん中に
小さな穴のようなものが開き
中から無数の手や足や頭が見えてゾッとしました…
今までたくさんの霊を見てきましたが、
初めての光景に驚き唖然としていた時、
彼女は無数の手に掴まれもがきながら
引きずり込まれるように穴へ落ちていきました。
その時、急に手首にしていたブレスレットが
バラバラと紐が切れて落ちたのです。
突然の出来事に自転車を止めて
散らばった数珠の球を拾おうしたのですが、
不可解なことに全てひび割れ酷いものは
粉々に割れていました。
それで拾うのを躊躇った瞬間、
数メートル先で車の事故が…
まさに今私が通過しようとしていた場所でした。
ブレスレットが切れなければ事故に巻き込まれていた、
そもそも川の心霊現象を見なければ…
などいろいろ頭の中を巡らせながら、
そのまま大会に向け走り出しました。
その後、ブレスレットが壊れてしまったこと、
川で見たことを祖母に話したところ
「無事でよかったよ…」と一言。
祖母曰く、その穴は死んだ世界への穴だとのこと…
連れていかれた女性はそこの川で自殺した人間であろうとのこと…
確かに、何度か自殺している人がいる
とは聞いていたので納得できました。
自殺をした人は苦しむと祖母に言われていたので、
あれが言っていた意味なんだと思っていたら、
最後に祖母が
「あんたは気付いてなかったのかい?
手の痕が残ってる…あんた一度掴まれたんだよ」
私の右の二の腕に
身に覚えのない手形がはっきりと残っていました。
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