ある仲の良い家族がいました。
家族は父親、母親、幼稚園に通う3歳の息子の3人家族。
普段家族はとても仲が良く、幸せに暮らしてはいましたが、
ある日この家族に事件が起こりました。
父親の浮気が発覚したのです。
裏切られた母親は半狂乱になって夫を責めました。
そして、もう離婚をする、
息子を連れて家を出ていくと言い出しました。
いくら夫が謝っても説得しても妻は出ていくの一点張り。
話し合いは平行線をたどりました。
ある夜、子供がぐっすり眠りについたリビングで、
いつものように離婚に向けた話し合いが行われました。
出ていくという妻、引き留める夫。
埒が明かないと考えた妻は、大きな荷物を用意し身支度を整え、
息子を起こしてこれから家を出る、と言って席を立ちました。
夫に背を向けて立ち去ろうとした時、夫の手が伸びました。
妻を引き留めようと後ろから妻を捕まえ、引きずり倒し、
抵抗する妻に乗っかって首を絞めていました。
しばらくして、妻が動かなくなっていることに夫は気付きました。
殺すつもりはなかった。
引き止めようとしただけだ。
でも、殺してしまった・・・。
頭が真っ白になりました。
どうすればいいのかわからない、
けれども朝になったら息子が起きてきて
死んでいる母親を見つけてしまう。
そう思った夫は家の庭に深い深い穴を掘り、
妻の死体を埋めることに決めました。
悪夢のような時間を終え、
翌朝の明け方には妻を埋め終わっていました。
妻の死体を埋めたまではいいものの、
息子には母親の不在をどう説明しよう。
自分たちが最近よくケンカしているのを息子は見ていたはずだし、
1日、2日母親が不在でも何かを察し、
気遣ってくれて特に何も言われないかもしれない。
数日は自分がしっかり世話をしながら、
うまい言い訳を考えよう・・・そう思っていました。
案の定、息子は少し不思議そうな顔をしていたものの、
特に母親について尋ねてくることはありませんでした。
そんな状態が半月も続いたころ、
いつまでも母親の不在について何も触れない息子について
さすがに不思議に思った父親は、勇気をもって息子に尋ねました。
「どうして、お前はお母さんがいないことを不思議に思わないんだ。
どうして、お母さんについて何も尋ねないんだ。どうして?」すると、
息子は言いました。
「お父さんが最近ずーっとお母さんをおんぶしているのは、どうして?」
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