友達が体験した話です。実話なので、特にヤマもオチも何もないので、御了承ください。

元々本人には霊感など何1つ無かったのに、昔長く付き合った彼女の霊感強すぎて視えるようになった。霊感はうつるモノだから仕方が無いよね。夏が来て、怖い話がブームになる時期には、友達はいつもそう言っていました。

私を含めて殆どの人が信じていませんでしたが、調子に乗ったからか何故か、友達の1番の親友A男が急に肝試しを提案してきました。視えると言う友達を運転手に、彼が知る中で一番やばい場所へ連れて行ってもらおう、と…

信じていないのは霊の存在ではなく、彼が視えるかどうかと言う点だった私は、絶対に行きたく無いとお断り。1人が顔色青くお断りしたせいか、全員が肝試しを断りました。結局肝試しに行ったのは友達とA男、そして元彼女さんの3人になりました。

実はこの計画、視えると言う友人が否定されるのに腹を立てたA男の友情が元で、私が顔色青く断った時点でA男は満足していたそうです。とはいえ、何も知らない友達は普通に計画を実行。

A男の為に、メチャクチャやばいところへ行くためだけに元彼女さんにも連絡。遊び半分で誰かが行かないように、あるお寺に行った事しか教えてもらえなかったのですが…A男は見事に霊感が写って帰ってきました。

お寺に近づくに連れて、夏なのに気温が下がり続ける。途中から車では通れなくなるので、3人は降車して仲良く歩いてお寺まで行ったそうです。お寺近くで立ち止まり、霊感2人組は基本何も言わないから、A男の好きに動いてと指示…したのですが、指示した時点で霊感感染済み。

お寺からモヤモヤした白い何かが出てきて、彼らに向かってきたそうです。

あれ、やべえだろ?とA男。ダッシュで車に逃げるぞ、と友達が叫んで3人で来た道を全速力で戻り逃げ帰ったそうです。

その日は運良く霊を連れ帰らないで済んだそうで、友達とその彼女はホッとしたそうですが、A男はその日から視える側に行くという望んでない結果になりました。

以上が私の知る怖い話です。私は友達が本当に霊感があるのを知っているけれど、感染が怖いのでけして口にしません。日本古来から言われる音霊。それを信じて、今もこれからも私は絶対に声には出して友達の霊感を肯定しません。