実話です。28年も前の事ですが、忘れられないです。
その時、私は病院の事務員の仕事をしていました。開院したばかりで、毎日が残業ばかりでした。
(今のように労働に対して厳しくなかった時期です。)親のコネで就職させてもらっていたので
文句も言えませんでした。ある朝、出勤途中の事です。
通り道にいきなり白い子猫が飛び出して来ました。「あっ」と思い、急いでブレーキを踏みました。
車を止め、バックミラーを見ました。白い子猫が横になって動いていません。
子猫の頭から少し血がでていました。どうしようかと思いましたが、
時間がなく「ごめんなさい、帰りに必ず見るから。」と
心の中で謝りました。帰宅する前に子猫をひいた場所前で車を止めました。
「血の跡もない、誰かが助けてくれたんだ。」とホッとしました。毎日が忙しいので子猫の事は忘れていました。
通り道には今まで捨て猫は見たことがありませんでした。その一週間後です。
私は残業をしていました。姉から電話がありました。
迎えには行けないと言うと、
姉は「そう、じゃあ帰り道に気を付けて帰ってね。」と
不思議な事を言いました。やっとその日の残業が終わり22時過ぎ頃でしょうか、
子猫をひいた場所前でいきなり眠たくなりました。
そのまま居眠り運転となってしまいガードレールにぶつけてしまいました。右目の上から血がスーッと落ちてきました。
あとの事はわかりません。意識が戻ってから約1か月間後
に姉から何があったのか聞きました。
(事故の相手がガードレールで良かったです。)残業ばかりの居眠り運転での事故でした。
事故の傷跡は子猫の頭にあった血のように私の額にあります。
事故後のリハビリも大変でした。入院中、姉にだけ時々「ニャオー、ニャオー」と
子猫の声になって話していたそうです。今でもその場所のガードレールは曲がったままです。
その場所はお地蔵様がありました。怖い場所だったのでしょうか?
お正月に帰る時にその場所を通る時は必ず、
「もう二度とあのような交通事故は起こらないようにお願いします。」と
祈っています。


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