私が大学生の時、
部活動の寮に住んでいた頃に起こった話です。上下関係やルールが厳しい部活動で、
1年生、2年生の下級生は
私生活すらも制限されていました。その日も1年生である私と2年生の先輩は、
20時から22時までと時間が決まっている風呂に、
たまたま二人で入っていました。大きめの浴槽と、シャワーが三つあり、
間を一個空けて私と先輩は会話をしながら体を洗ってました。時間も22時ギリギリで入っているのは二人でした。
そんな中、先輩は『明日実は急遽、
地元に帰らないといけなくなった』と言いました。理由は友達が自殺したから葬式があるんだと。
先輩は、一緒に遊ぶ友達だっただけに、
かなり驚いている、実感がないと言っていました。私もどういう言葉をかけていいのかわからず、
ただただから体を洗いながら聞いていました。先輩はそのあと明日、朝一で帰るが
葬式に間に合うかわからないんだと言っていました。そんな中、風呂場にほかの先輩がやってきて
そろそろ風呂の時間が終わるから
早く上がった方がいいと教えに来てくれました。私と先輩はちょうど上がるところだったので、
風呂場を出ようとしたところ、教えにきた先輩が、
『お前らシャワー止めろよ』と言いました。謝りながら、私は自分が止めたのを覚えていたので、
先輩が止め忘れたんだろうなと思い、
先輩の使っていたシャワーを確認したところ、
水は出てませんでした。もちろん私が使っていたシャワーも出ていません。
私と先輩の間の使ってないシャワーの水が勢いよく出ていました。その瞬間、鳥肌が立ち固まったのを今でも覚えています。
そのあと、シャワーを止めて風呂場から出ましたが、
恐怖を感じました。風呂場から出た後の、先輩の『明日まで待ってくれよ』
という一言が今でも鮮明に覚えています。あのシャワーは、自殺した友人が、
葬式に来て欲しいというメッセージだったのでしょうか。


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