私が学生時代、京都に下宿していた時の話です。
京都の大学に入学が決まって
田舎からでてきて最初にしたことは、
下宿探しでした。
家庭が裕福でなかった私は、
大学の学生課を訪問し、
大学の近くの下宿先のリストから
一番家賃が安いところを選びました。
家賃は月3万5千円。場所は金閣寺の裏でした。
4畳半一間、風呂なし、トイレは共同。
大家さんの家の離れといった構造で
2部屋ありましたが、もう1部屋は空いてました。
私は霊感はないのですが、部屋に入った瞬間、
背筋がぞっとするような悪寒が走り、
最初からなんかおかしいなという印象はもっていました。
それから異常なことが起こります。
まず、今まで1度もあったことのない金縛りにあいます。
寝ていると押元の階段を人が上がってくる気配がします。
ドアが開き、キーンという耳鳴りがします。
耳を抑えようとしても体がピクリとも動きません。
こんなことが月に2~3回はありました。
金縛りは体が疲れているときに起こる現象だと
いわれていましたので、あまり気にしていませんでした。
そんな中、一番の恐怖現象が起きます。
それは、8月の雨が降るお盆でした。
寝ているといつものように人が近づいてくる気配に
おびえながら体が動かないでいました。
いつもは決して目を開けないのですが、
その日は水滴が顔にかかるので、
思わず目を開けてしまいました。
すると、見えたものは、私の寝ている上にまたがり、
長いびしょぬれの髪を私の顔面の垂らし、
私の顔を覗き込む老婆の顔でした。
思わず目をつぶって夜が明けるのをひたすら待ちました。
何時間が経ったかわかりません、
たぶん気を失っていたのだと思います。
気が付いた時には回りはすっかり明るくなっており、
私の体も動くようになっていました。
もちろんその時には老婆の姿はありませんでした。
ただ寝ていたかけ布団がびっしょり濡れていました。
あれは何だったのでしょうか。
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