これは現在30代の私の彼が幼いころ経験した話です。
これから出てくる会話は、
本当は方言で話しているので、
少々伝わりづらいかと思いますが、
ご了承ください。彼が子供のころ住んでいた地方では、
お盆になると必ず本家に親戚中が集まり
ご先祖様をお迎えするという習慣があったそうです。そして、その前に必ず行うのがお墓参りなのですが、
このお墓が少々遠いところにあるので
みんなで車を出し合い行動します。その年も、例年通りお墓参りを終えて、
4台ほどの車が連なって本家へ向かっていました。彼の乗っていた車は前から3番目で
運転手は親戚の叔父さんです。前には歳の離れた従兄が乗っている黒い車が見え、
その車の中には従兄とロングヘアーの女の人が並んで
座っているのが見えました。ですが彼は女の人に心当たりがなかったので、
知らない間に彼女でも連れてきているのだろうと、
思ったそうなんです。ちなみに叔父さんと従兄は親子ではなく、
彼と同じ、叔父と甥の関係です。そのまま4台の車は数十分走り続け、
本家へ到着し、前の車から従兄が降りてきたのですが
なんと1人なのです。あれ?女の人は?と彼は疑問に思ったそうなのですが、
霊感体質な家系に生まれたため、そういうものだと、
もしくは見間違えたんだ、誰にも言わないでおこう、
と自分で処理したそうです。と、ここまでで終わればよいのですが、
後日談があります。その後は彼も従兄も何事もなく過ごし、
時は流れて彼が20歳半ばの頃、
東京へ出ていた彼は久しぶりに帰省することに。基本的に集まりが好きな親戚たちなので、
その晩はみんなで宴会だったそうです。そんな中、お酒の入った彼は
ふとあの女の人の事を思い出し、見間違いなのか、
他にも見た人がいるのか聞いてみたそうです。すると、例の叔父さんが
「お前も見てたのか。そうだよな俺の横にいたもんな」
というのです。話を詳しく聞くと、
あの日従兄が1人で降りてきたときに、
叔父さんも不思議だったそうで
従兄に聞いたそうなんです。すると従兄が、○○トンネルを通った。
多分それだと、答えたそうです。幼い彼に変な話は聞かせられない
というおじさんの配慮があったため、
彼は20年越しに、ホンモノだと知ることになったのです。ちなみに○○トンネルとは
地元では心霊スポットとして有名なトンネルです。近くに、整備された安全な橋が作られているのですが、
従兄は近道のため、
古いトンネルを通ってしまったらしいです。当時叔父さんは従兄をこってり叱ったそうで、
話し終わった後、彼にも「霊感があるからといって油断してはダメだ。
見えたり分かったりする分、気を引き締めなさい」と忠告してくれたそうです。


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