あるところに若いカップルがいた。二人ともオカルトや超常現象といった非科学なことに目がなかった。だからそのカップルは心霊スポットを探しに山奥に行ったのだが、行った先の山でちょっとしたことから口論になってしまった。

それでカッとなってつい彼氏が言ってしまった「もう顔見たくないから、ひとりで歩いて帰れよ。」彼女は恐怖感から断ろうとしたが、結局車から降りることに。

そしてしばらく彼氏は一人で山道を走らせているうちに彼女がおっちょこちょいで危なっかしい性格をしていることをふと思い出した。正直会いたくなかったが、心配になって迎えに行くことに

もと来た道をたどっていると人影が見えてきて心霊スポットであることを思い出してびくびくしながらよく見てみるとそれは彼女だった。それからドアを解錠し彼女を入れる。

もう、こわっかたよ~。真っ暗だったんだもん。」彼氏はこれを聞いて思った。

あれ?なんかおかしいぞ…

なぜならば彼が通ってきた道は外灯が張り巡らされていて、暗いところなんてそれこそ『外灯のないところ』に飛び出さないとまったくないのだ。

不審に思った彼氏だったが、きっと外灯がないところに入り込んでしまったのだとすぐに納得して忘れることに。しかし、彼女はしゃべり続けた。まるで違う人のように。

それからしばらくして一人ぽつんと立っている女の人が見えてきて、その人がこちらに向かって手を振ってきているのに気付いた。彼女が言う「かわいそうだから乗せていこうよ」それに対し彼氏が言う。

いや、絶対にダメ。よくみて逆さに手を振ってるでしょ?ああいうのは死者がすることなんだよ」それを聞いて彼女もまた「へぇ、すごい!」といいながら逆さに拍手するのだった。