これは、私が小学生の時に従妹とキャンプに行った時の話です。

夏休み、地元から離れたキャンプ場に親戚一同で一泊二日で旅行にでかけ、朝からテントを張り海で遊んだりバーベキューを楽しんでいました。そのキャンプ場は、敷地の真ん中に原っぱがあり、テントを張ってキャンプを楽しむ個所と、周りにコテージがあり、それぞれの宿泊用途に分かれ、多くの家族連れが思い思いの夏休みを満喫していました。

その日の夜、家族みんなで花火を終え、トイレに行ったり、歯を磨いたり、各々に寝る支度を整え、私は21頃に家族とともにテントの中で横になりました。虫の声や車の音などほとんどなく、静かなキャンプ場内。

すると、深夜2時過ぎに、私より6歳年上の従妹が父親と何やら話をしている声が聞こえてきました。それも驚いたような、声を荒げているような声が聞こえたので、「どうしたの?」と様子を伺いに行きました。

従妹の顔は恐怖に怯えているような、まさしく見てはいけないものをみたような蒼白顔をしていたのを今でも覚えています。理由を聞くとトイレに行った従妹が、大きな木を揺らしてこちらをみているキョンシーと目があった、と泣きそうな声で訴えていました。

始めは、キョンシーってなに?という疑問から入ったのですが、中国の妖怪で、おでこにお札をつけたキョンシーが大の大人でも揺らせないであろう一本の大木を揺らしながらこちらをみていたというのです。

そんなまさか、と思い、現場に従妹の父を向かいました。確かに、そこには大きな大木があり、木の葉がいくつかちらばっていたのですが、従妹との父が揺らそうにもびくともしない大木でした。

もともと、幼いころから霊感のあった従妹でしたが、さすがに霊以外のものをみたのは初めてだそうで、その晩はなかなか寝付けなかったそうです。未だに、私の中では不動の心霊話として心に残っています。