鹿児島県肝属郡牛根村(現・垂水市)にある伝承では、
山姫、あるいは山女と呼ばれる者の存在が語られています。

山姫伝承は日本の各地で確認されているようなのですが、
その正体は妖怪とも、正気を失ってしまった
人間の娘とも言われているようです。

屋久島では山姫のことを“ニイヨメジョ”と呼ぶそうで、
伝承が数多く、かつ近年に至るまでその目撃情報があるようです。

その姿は「十二単に緋の袴をはいている」という話もあれば、
「縦縞の着物を着た女」であるとも、
「半裸でシダの葉の腰蓑を身に付けている」とも言われており実にさまざま。

ですが共通して「踵に届くくらいに長い髪の若い女性」であるらしく、
またその行いも恐ろしいものなのだとか。

山姫に笑いかけられた時、皆さんだったらどのような反応を返すでしょうか。
少なくとも、同じように笑い返すことだけはしないほうが良いでしょう。
何故ならばそうしてしまうと、血を吸い尽くされて殺されてしまうからです。

ですが山姫に笑いかけられる前に笑えば身を守れるという伝承もある他、
様々な退治方法があるだけまだ安心でしょうか。

屋久島ではこういった「山姫に血を吸われて殺された」という話や
「山姫に会った」という話がいくつかあるようでした。

近現代になってなお山姫の目撃例は複数あり、
中には「雨の降る夜に宮之浦集落の運転手が紫色の着物の女性に出会い、
車に乗るよう勧めたがそのまま行ってしまった」という
比較的最近の目撃情報もあるようです。

余談ですが、この山姫。なんとアニメ化しております。
とても有名な、某日本昔ばなしのNo.1192「山姫」です。

興味のある方は見てみてはいかがでしょうか。