実家の物置を片付けていた彼は、古いアルバムを見つけた。ページをめくると、見覚えのない家族写真が挟まっていた。古びた紙に、知らない男女と子どもが笑顔で写っている。なぜかその笑顔が不自然で、目が異様に光っているように見えた。気味が悪くなり、捨てようとしたが、母に「そんな写真はないよ」と言われ、背筋が冷たくなった。

その夜、寝室でかすかな笑い声が聞こえた。目を覚ますと、枕元にその写真が置かれている。慌てて燃やしたが、次の日、灰の中から同じ写真が出てきた。今度は家族の顔が少しぼやけ、彼の顔に似てきている気がした。それ以来、夜中に笑い声が響き、窓にその家族の影が映るようになった。彼は今、写真を見るたび、自分が笑っているのか、それとも誰かが笑っているのか分からなくなっている。