机の引き出しが固くて開かないのに気づいた彼は、力を入れて引っ張った。すると、中からかすかにガリガリという音が聞こえた。工具でこじ開けようとしたが、引き出しはびくともせず、音だけが大きくなった。その夜、眠ると、引き出しが勝手に動く夢を見た。

翌朝、引き出しの周りに細かい引っかき傷が付いている。夜になると音が続き、ある晩、目を覚ますと、引き出しが少し開き、暗闇から手のような影が伸びていた。彼は机を捨てたが、音は耳に残り続けた。