古着屋で買ったコートを着た彼は、ポケットに何か硬いものが入っているのに気づいた。取り出すと、小さな錆びた鍵だった。不思議に思いながらも持ち帰り、机に置いた。その夜、鍵がカチャリと鳴り、目を覚ますと鍵が床に落ちている。

翌日、鍵はまたポケットに戻っていて、今度はコートからかすかに汗の臭いがした。夜になると鍵の音が続き、ある晩、コートの袖が勝手に動き、彼の手を掴もうとした。恐怖でコートを捨てたが、次の朝にはクローゼットに掛かっていて、鍵が握り潰されていた。彼はもうその鍵に触れられない。

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