停電の夜、彼は古いランプに火を灯した。揺れる光が部屋を照らす中、どこからか囁き声が聞こえてきた。風のせいだと思い、ランプを消したが、声は続き、「灯せ」と繰り返す。翌夜、ランプが勝手に点き、光の中にぼんやりした顔が浮かんだ。

慌てて捨てたが、次の朝にはまた机に置かれ、ガラスにひびが入っていた。それ以来、ランプが点くたび、顔が近づき、ある晩、光の中で彼の名前を呼ぶ声がした。彼はもうランプを使うのをやめたが、暗闇で光が揺れるのを感じる。