20年近く前の夏の話中学生だった僕たちは
一般的には非行少年の枠に入ってしまっていただろう。

夜中にファミレスにたまり、
1回オーダーすれば飲み放題のホットコーヒーを飲み続ける。

しまいにはタバコも吸い騒いでいた。

そんなある日、あれはAM12:00頃に暇を持て余した
若者たちは例の通り肝試しをしよう!
と言い始めた奴がいて皆かなり乗り気だった!

時間は丑三つ時のAM2:00スタート
場所は近所にあったお稲荷さん。

行くのは全員ではない。
じゃんけんで負けた3人が行く。

集まっていたのは7、8人。絶対に負けたくない。
でも負けてしまった、、、。

結構憂鬱だった。

なぜならそのお稲荷さんは学校の真横にあり、
かなりの住宅街の中だ。

大通りも遠いため周りは静かだし学校も気味が悪い。
何よりお稲荷さんはお昼に行ってもいい雰囲気が漂っていない

参った、、、、、、。

時間が来た。
僕ら負け組3人は向かったファミレスから歩いて5分ほどのところだ。

「マジで行きたくない」などと言いながらも向かった。
そして到着。

全員なかなか中には入らない。
怖いからだ。

お稲荷さんは入り口から向かって手前に鳥居があり、
鳥居から30歩くらい行くと3段くらいの階段がある、
階段を上る手前両脇にお稲荷さんが建っている。

階段を上った先に本堂。
本堂の後ろには木がズラッと立っている。

恐怖からなかなか中に進めず、鳥居の外から本堂の方を見ていると
赤い点』が本堂の後ろに見える。

『なんだ?』皆に見えたか確認すると、見えなかったのは1人。
いよいよ本気で怖くなってきた。

『赤い点』は警告のメッセージと聞いたことがあるからだ。

余計に中には入れず外から本堂の方を見ていると、
人がいそうもないところで右から左へ「スッ」と影が動いた

これはヤバいやつだと思ったがもう言葉を発するのもやめていた。
意を決し中に入る!3人が進み始めた。

鳥居をくぐる。
何も起きない。

一気に本堂まで行き「何も起きなかったな」
なんて話しながら階段を降りる。

ホッとしたのか『ビビらせんなよ』とか言いながら
僕がお稲荷さんの頭を叩いた

そしてもうその場にいたくなかったので
ダッシュでファミレスに戻り肩に塩をまいた。

その日はその後少し喋った後それで解散したような記憶。

翌朝?昼?に起き、
シャワーを浴び体を洗っていると一部に痛みを感じた。

胸の下あたり見てみるとそこには3本の引っかき傷があった
しかも傷の周りはアザになっているではないか。

どこかで引っかかった覚えもないし、
転んでもいない。

あんな傷があったらその日着ていた洋服は破れているはずだ。

だが全くの無傷。いったい何が起きたのか。
友達に話したら皆答えは一緒

お前昨日お稲荷さんの頭叩いたろ?それじゃね?
その後何もないが、未だに鮮明に覚えている出来事だ。

今思えばあの『赤い点』は何だったのだろう。