古いリモコンの電池を捨てた彼は、次の朝、机の上にそれが戻っているのに気づいた。錆びた電池で、触ると冷たい。ゴミに出しても毎朝戻り、ある夜、電池が勝手に転がり、部屋の隅で止まった。見ると、電池から黒い液体が滲んでいる。

翌日、燃えるゴミに出したが、夜にはまた机にあり、今度は液体が彼の名前を書くように広がっていた。それ以来、電池は毎夜動き、液体が床に染みを作り、彼の背後に近づく。友人に話すと、「その家、昔、電池が爆発したって噂があったよ」と言われた。彼は今、電池を見るたび震える。