押し入れから見つけたラジオをつけた彼は、ノイズに混じって歌声が聞こえた。古い曲で、途切れながらも繰り返す。電源を切っても続き、夜になると歌が彼の名前を呼び始めた。

捨てても次の日には戻り、ある晩、ラジオが勝手に鳴り、歌声が笑いに変わった。彼はもうラジオに触れず、耳を塞ぐが、頭の中で歌が響く。