部屋の壁に小さな落書きを見つけた彼は、消そうとしたが、翌日には増えていた。子どもの絵のような線が、日に日に彼の似顔絵に変わっていく。夜になると、壁からカリカリと音がし、目を覚ました。

ある晩、壁に自分の顔が完成し、目がこちらを見つめている。翌朝、絵が動き、笑うように歪んだ。近所に聞くと、「その壁、昔、子どもの絵が消えなかったって噂があったよ」と言われた。彼は今、壁に背を向けて眠るが、音が近づく。