田舎の配達路を回る郵便屋が、古い家に手紙を投函したときのことだ。誰も住んでいないはずの郵便受けから、カタンと音がして、濡れた封筒が返ってきた。中には「見てる」と書かれた紙が入り、気味が悪くて捨てた。だが、次の日も同じ手紙が届き、今度は「近づく」と文字が滲んでいる。夜、配達先で封筒が動き、郵便屋の名前を低く呼ぶ。月明かりの下、封筒から黒い手が這い出て、彼の足を掴もうとした。郵便屋は悲鳴を上げて逃げ出し、家に閉じこもったが、手紙の臭いが部屋に漂う。
同僚に話すと、「その家、昔、手紙が戻ってきたって噂があったよ」と顔を曇らせた。郵便屋は夜の配達を避け、目を閉じるが、手紙の音が頭に響く… … … あれはまだ彼を追っているのかもしれない。


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