配達員が古いアパートに荷物を届けると、ドアが半開きだった。呼びかけても誰もおらず、荷物を置くと重さが消えた。持ち帰ったが、夜、荷物が動き、「ここ」と囁く声が響く。翌日、同じ部屋に行くと、荷物が消え、濡れた足跡が残っていた。闇が深まる頃、荷物がトラックに戻り、黒い影が揺れた。悲鳴を上げて逃げたが、翌朝、足跡が車に残っていた。

同僚に聞くと、「その部屋、昔、誰もいなかったって噂だよ」と教えてくれた。配達員は荷物を捨てようとしたが、夜になると声が響き、背後に気配が漂う。