小6のとき、私はかわいい猫を飼っていました。
チビといいます。

チビとは毎日一緒に庭で遊んでいたのですが、
ある日、死んでしまいました

そのときの不思議な出来事です。

夕方、いつものようにチビと庭でかくれんぼをしていました。

かくれんぼといっても、私が一方的にチビを驚かすだけなのですが、
立ち向かってくるから楽しかったのです。

でも、この日のチビはいつもとどことなく違っていました

遊びあきて、「もう終わりー。」と私が言っても、
まだ外にいようとするし、私のことをジーっといつまでも見ているのです。

いつもなら、チビの方から家に入ってしまうのですが、、。

私は先に帰るよ、とチビに声をかけて家に戻りました。
寒くてコタツに入りたくなったのです。

すると、家の前の道を大型のダンプが通っていきました
家も揺れるほどで、母も驚いていました。

少したってからでしょうか。

庭から兄の声が聞こえ、
兄が帰ってきたのがわかりました。

こら、チビ、やめろって。
チビは兄と楽しそうにじゃれているようでした。

ですが、その兄がなかなか家に入ってこないのです。
なんとなく不思議に思っていましたが、気にとめませんでした。

それから30分後です。

チビが死んでるよ!
玄関の所で兄が叫びました

びっくりして駆けつけた私。

兄は玄関のドアの前で
目から血をうっすら流して死んでいるチビを見下ろしていました。

兄の話では、帰ってきたらチビが倒れてたというのです。
チビとは決して遊んでいないそうです。

私は後悔しました。
チビはダンプにひかれたのです。

ですが、なんとか家に戻ろうとして、私を呼んだのです。

兄の声がすれば、私が家の外に出て、
チビの窮地に気づいてくれる
と思ったのだと思います。

なのに私はチビの所に行かなかったのです。
玄関の所まで来て、チビは力尽きたのでした。

本当にチビに申し訳ないことをしてしまったと、
今でも後悔しています。