ベリーちゃんはとても可愛いフランス人形でした。
16歳の少女とほぼ同じ大きさがあります。
お金持ちである七歳のゆみちゃんに愛されており、
まるで姉妹のような関係でした。
ところがある休みの日、
ゆみちゃんんとベリーちゃんがお庭でママごっこをしていると、
どこからお庭に迷い込んできた野良犬に襲われました。
ゆぬちゃんは声を上げて叫んだら、
執事とメイドたちがすぐ来てくれたおかげで
2人は助けられましたが、ベリーちゃんの右手は
野良犬に噛まれて引き裂かれたのです。
ゆみちゃんの方はかすり傷で済みましたが、
精神的に不安定となり、ベッドに倒れ込んだのです。
それから三日が過ぎ、ゆむちゃんはようやく元気になりました。
彼女は早速ベリーちゃんを迎えたところ、
右手を失ったベリーちゃんを見て気持ち悪いと言い出しました。
前までは一緒に遊んで一緒に寝て大切な友たちのはずでした。
ゆみちゃんは何度も気持ち悪いと言って、
ベリーちゃんをその場に置いて去りました。
ベリーちゃんはとても悲しく思いました。
どうして私なの?
どうして私がこんな目に合わなければいけないの?
涙を流せないはずのベリーちゃんの視界は朧になっていきました。
そして、ベリーちゃんは窓から外で遊んでいる
女の子たちを見て思いつきました。
夜中になると、ベリーちゃんは自ら立ち上がり、
犬を撃退するときに使われた斧を持って家を抜け出しました。
彼女は自分の右手の代わりになれるもの、
別の女の子から右手を切り落とそうとしました。
自分のサイズに合う人形なんて少なさすぎるため、
本物の女の子から切り取ることにしました。
一人で夜中に歩き回る若い女の子を見ると、
迷いなくその右手を切りかかります。
しかし、ベリーちゃんはあくまでも人形です。
動く心臓はなく、流れる血もありません。
そのため、人間の手を糸で縫い付けたとしても
やがてその手は腐敗して朽ちてしまいます。
結局、ベリーちゃんは何度も何度も
新しい右手の代わりを探し続けます。
あの頃に戻れるようにと祈りながら・・・
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