友人から聞いた話です。

北海道札幌市地下鉄南北線に、終電の時間にあらわれた、
1組の親子
の話です。

サラリーマンの男性が、ひとりで終電の時間にホームに立っていると、
子供が階段から走って下りてきました。

その後ろからその子の母親がやってきて、
「待ちなさい、ちゃんとお母さんと手を繋ぎなさい」と言いました。
サラリーマンの前で子供を捕まえた母親は、安心した様子を見せました。

そしてまもなく終電がきました。
すると、親子がホームから姿を消しました

びっくりした男性は、親子が飛び降りたのだと思い、
急いで非常用ボタンを探しましたが、見つかりませんでした。

間に合わないと思って、
自らホームから飛び降りて親子を救うことを決意しました。
そのとき、駅員さんが来て、男性を呼び止めました。

男性は駅員に、親子が飛び降りたことを説明しました。
すると駅員は言いました。

私も、最初はびっくりしました。」と。
その瞬間、男性は驚きました。

地下鉄南北線では、この親子が飛び込むことはよくあることだということ。
そして、親子は実はもう亡くなっており、自分が見たのは幽霊であった、
ということを悟りました。

親子の幽霊がどうして終電にあらわれるかは、未だわかっていないようです。

『死んでしまったことに未練があり、成仏できなかったため』という説もあれば、
『生きている人をあの世に引き込むため』という説もあります。

実は駅員もすでに亡くなっていた、という説も聞いたことがあります。

現在の札幌の地下鉄には、柵があるので、
もうこの親子は見られないかもしれません。