高校時代の夏休みでした。

普段はバイトなどで外出ばかりしていましたが
その日はたまたま家族がみんな揃って、
自宅でのんびりしていました。

みんなでお昼を食べて、
それから自分の部屋へ戻り扇風機をかけながら、
ベットに横になっていました。

昼寝をするつもりはなかったのですが、
気づくと眠っていたようです。

まだ小さかった弟が、私の部屋の外の廊下を走り回り、
はしゃいでいる声で目が覚めました

そろそろ起きようと思い、体に力を入れた時
金縛りにあっている事に気づきました。

普段からよく金縛りに合う体質だったので、
またか、位に思いしばらくじっとしていました。

目は開けたので、ぼーっと天井を見ていたら
足元にモヤモヤした煙のような気配を感じ、
そちらに目を向けるとおじいさんの顔があったのです。

正確には、ふすまの壁面から、
おじいさんの顔だけが浮き出ていました

ひどく悲し気な顔をしていたのですが、
徐々に怒ったような表情へ変わっていきました

あまりにも驚いて、必死に体を動かし、
なんとか金縛りが解けた瞬間に
急いで部屋をでて家族の元へ走りました。

父親に一部始終を話し、大騒ぎしていた時に
母と弟が「ただいまー」と帰ってきました

私は、弟が廊下をはしゃぎながら走る、
バタバタした足音とキャッキャした声で、
先ほど目が覚めたはずなのです。

ですが、その弟は今まで母と買い物へ出かけていたとの事でした。
その後部屋へ戻ってみましたが、特に何の異常もなかったです。