運転免許所の更新の際、
免許センターが遠かったため、
地元の警察署へ出向いた時のことです。
講習を受ける前の説明で、
休憩時間が20分ほど用意されていたのですが、
その際2階のトイレには行かないよう促されました。
しかし、当日は受講者の人数が多く、
1階のトイレは思いのほか混雑しており
あと10分証少々と時刻が迫ってきました。
2階は吹き抜けで職員からも丸見えなのですが、
まだ体が冷える時期でもあったこともあり、
トイレを我慢せずそっと使用させていただくことにしました。
用を済ませて手を洗っていると、
走り込むようにトイレに駆け込んで来ました。
やはり下のトイレ、混んでいるんだなと思っていたところ、
突然その女性が話しかけてきました。
ねえ、シックスセンスって、知ってる!?
えっ…!?
驚く私に早口でまくし立てるように
矢継ぎ早に質問を浴びせてきます。
映画見たことない?見たでしょ?
ええ、まあ、あります、はい。
奥のトイレ入った!?
いえ。
入ったでしょ!(強い口調)
いえ(困惑)。
入ったはず、普通奥に入るはずでしょ!
いえ!
勘違いじゃない?
奥に入ったのに間違えて覚えてるんじゃない?(強引な口調)
いえ!(しつこい!)
入口近くに入りました。
ふ~ん(まだ納得しない様子)。
ここのトイレ、何か変な感じしなかった?!
いえ、別に?
薄暗いとか。
ここのトイレ、気味悪いって評判なのよ、何か感じない?
~?特には…。日差しも入るし、特に汚れているわけでもないですし。
奥のトイレらへんで何か感じない?
別に…。窓際で一番明るいですし。
じゃ、何で入んなかったの!
時間がなかったので。
すると、息巻いていた女性は拍子抜けたように脱力して、
奥のトイレで首つり自殺があったのだと教えてくれました。
よく、このトイレで出るので有名なのだそうです。
本当に何も感じなかったの?!
なおもしつこく迫る女性に、
時間がないのでと、そそくさと立ち去りました。
講習にはいる前に、
2階のトイレに行った人を聞いており
何人か手をあげていた人がいたため、
ルール違反者のチェックかなとも思いましたが、
後で思い起こすと、声を掛けてきた女性の存在の方が怖いです。
一見役所のような平和な警察署でも怪異が多いのだな、と思い、
以来免許の更新はセンターに行くようにしています。
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