私が小学校の時なので
もう20年以上前の話になります。私はそのころ新築の6階建ての
マンションに住んでいました。私の家は3階で、階段は2か所あります。
そして家の前がちょうど一つ目の階段になっていました。しかしなぜか母はいつも奥の階段を使おうというのです。
私は家の前にある階段をなぜ使いたがらないのか
不思議に思いましたが特に聞くこともありませんでした。何年か住んでいるうちにわかったのですが、
当時うちの母には霊感があり手前の階段の踊り場には
いつも女の子が座っている、というのです。私が一人で階段を通った時には
もちろん全く見えませんし何も感じません。母は気味悪がって近寄ろうとはしませんが、
どんな子なのかと聞いていると
髪が長くてかわいらしい6歳ぐらいの女の子だと、
攻撃的な印象は見受けられないが
自分にしか見えないことがわかるので
出来るだけ避けているとのことでした。私もその話を聞いてから
出来るだけその階段を通らない様にして
遠回りをするようにしていました。しかしある日遅刻しそうで急いで家を出た時の事でした。
階段の少女の事を忘れていた私は
とっさに近くの階段を利用し階段を駆け下りたのです。すると母がいつもいう踊り場のところで
後ろから何かに押されたような感覚があり
私はふっと体が一瞬宙に浮いたような感じがしたのですが、
なぜかその場ですっと着地することが出来ました。なんだろう今の感覚はと思ったのです。
そのことを母に話すと
母はその日から女の子の感覚を一切感じなくなったようです。もしかすると一緒に遊びたかったのかな、
少し存在に気付いてほしくていたずらをしてしまったのかなと
少女の事を思ったのでした。


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