私の職場の近くの踏切は
何度か飛び込み自殺があった場所
です。

当時、私は夜の仕事をしていたため、
終電もなくなった後によくその踏切を渡っていました

ある日、同業の女性の話を聞いて背筋が凍りました。

その女性をAさんとして、Aさんは仕事が終わり、
一人で家へ向かっていました。

繁華街とは言え、田舎町なので、
人はいなかったそうです。

そして例の踏切に差し掛かった時、
ハイヒールのかかとがレールの溝にハマってしまって、
膝をつくようにコケた
そうです。

普通なら、レールの溝にヒールなど
ハマるはずがありませんが、
とっさのことでそこまでは考えなかったとか…。

そして足を抜こうをレールに目をやると、
ヒールを掴む手があったそうです。

真っ赤な爪の横にはじっとAさんを睨む目が…。

恐怖のあまり声も出なかったAさんは
靴を脱ぎ捨て走って逃げたそうです。

翌日、靴が気になり見に行ったそうですが、
靴はなく、どうなったかは分からないままです。

そんな話を聞いた4日、5日後、
別の男性Bさんが店にやって来て、
またその踏切の話を始めました。

Bさんは昼間にそこを渡っていました。
遮断器が下りかけていましたが、走って渡るBさん。

しかしレールにつまづき、コケてしまったそうです。

しかし、踏切には段差はなく、不思議に思い振り返ると、
レールの間から指が力なく手招きしていたそうです。

Bさんはゾッとしながらも、
コケた拍子に前方に飛んでいた
財布を拾おうと立ち上がり、
踏切から出た時、間一髪で電車が通過しました。

もう少しレールの間の指に気を取られていたら…。