Aさんという方が仲間内と真夜中に近所の駐車場に集まり、
怪談をしていた時の話です。

仲間が順番に怖い話を披露していき、
ついにAさんに話の順番がまわってきました。

Aさんは事前に話を用意していなかったため、
その場で思いついた以下のような話を始めました。

昔、今集まって怪談をしている駐車場に隣接している
マンションの最上階からから飛び降り自殺を試みた女性がおり、
今でも真夜中になると駐車場に横たわっている
女性の霊が目撃されている。

見てしまった人は同じように隣のマンションから誘われるように
飛び降り自殺をしてしまうのでこの駐車場は飛び降り自殺が絶えない、
という話でした。

Aさんが最後まで話終わり、
全員の怪談が終わったためその場はお開きになりました。

Aさん達は駐車場から出るとその場で解散し、
Aさんは家に向けて歩き出しました。

みんなと別れ一人でしばらく暗い路地を
歩いていると、向こうから真夜中にも関わらず
真っ赤な赤いドレスを着た女性が歩いてくるのが見えました。

よく見ると女性は裸足で歩いており
フラフラとおぼつかない様子で歩いています。

Aさんが歩いて徐々に女性に近づいていき、
ついに女性とすれ違う時、

「さっきの話、私の事ですか？」

とぼそっと女性がAさんに向かってつぶやきました。

Aさんはびっくりして女性の方を見ると
そこにはもう誰もいませんでした。

翌日、怪談をしていた駐車場には
飛び降り自殺したAさんの遺体があったそうです。