私の友人は小学校時代に引っ越してきたのですが、
彼女と体験した話です。
私が通っていた小学校に
彼女が転校してきたのは二年生の頃でした。
彼女は最初あまり話さない感じだったのですが、
少しずつ友だちも増えていき昼休みには
何人かで遊ぶようになりました。
そんなある日、私たちは中庭で遊んでいたのですが、
ニワトリ小屋の近くで彼女の足がピタリと止まったのです。
ジーッとニワトリ小屋を見つめていたのですが、
大きく回り込んで避けると友達のところへと合流しました。
私はその光景を見たのですが、
ニワトリが嫌いなのかな?
ぐらいにしか思いませんでした。
数日後、学校に来た彼女が
なんだか具合が悪そうだったので保健室に同行しました。
昼休みに再度様子を見にいくと
彼女は窓の方を決して見ないように
廊下側を向いてベッドに横になっていました。
その窓の外をクラスの男の子たちが
鬼ごっこをして遊んでいました。
すると、アッ!という大きな声と共に
男の子がこけてしまいました。
あちこちすりむいてしまい、
しかも木の根元に足を取られて
歯を派手に折ってしまいました。
保健室の先生が慌てて対処をし始めました。
彼女に「〇〇君、歯が折れちゃったみたい」
と話しかけると、彼女は布団をすっぽりかぶっていました。
具合が悪いんだろうなと思った私は
「早く良くなってね」と声をかけてひきあげました。
翌々日、元気になった彼女がポツリと話してくれました。
「あの子が歯を折ったのね、
あそこにいる神様が怒ってるせいなの」
彼女が言う神様とは、
保健室前でニワトリ小屋の隣の木の下にある
小さな祠の水神様のことだと言うのです。
たしかに細い縄に守られている区画があるのですが、
その中で水神様が怒ってるらしいのです。
「怖いから近づきたくない」
彼女は卒業まで決して近づきませんでした。
創立から何十年もたつのに、
校舎が新しくなった今でも
私たちの小学校には水神様の区画があります。
まだ怒りは静まっていないらしいです。
いったいこの水神様に何をしたら
こんなにずっと怒ってるのでしょうか?
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