これは私と長兄、
次兄の3人で釣りに行った帰りの話です。
私と長兄、次兄は、度々車で釣りに行く仲で、
3人の休日が重なり、なるべく大潮か中潮の日を選んで
ネットや新聞などで知った釣り情報を元に
遠征に行く釣りバカ3兄弟です。
その日もネットで知った
新たな釣り場に出かけました。
昼頃から釣り始めましたが、満潮ということもあり、
3人とも釣果は良好でした。
このまま夜釣りに持ち込むつもりでしたが、
日がとっぷり暮れた辺りで
土砂降りの雨が降りだしてきました。
釣りバカ3兄弟故に、土砂降りの雨の中、
夜釣りをする愚をわきまえており、
3人ともボウズではないこともあり、
私が後ろの席、次兄が助手席、
長兄が運転して、家路につくことにしました。
結構長い道のりと
釣りをしている間にたまった疲れもあって、
自分でも気づかないうちに私は雨音を子守歌に、
後部座席で横になって眠ってしまっていました。
兄たちは「気楽な奴だ」と思っていたかも知れません。
何事もなければそのまま家に着くまで
眠っていたことでしょう。
強く激しい雨音で不意に目が覚めました。
車に乗った時も結構な土砂降りでしたが、
それ以上に激しく、
集中豪雨じゃないのかと思うほどの雨音でした。
ふと私がバックミラーから兄たちの表情を見ると
2人とも青ざめていました。
私「雨がヤベえな」
長兄、次兄「・・・・・」
私「おい」
長兄、次兄「・・・・・」
私「おいって」
長兄「やかましいわぁ!」
次兄「車の外を見ろよ」
凄い剣幕で怒鳴る長兄にイラッとしつつも、
次兄に促されて車の外を見ました。
寝起きで直ぐには状況が理解できませんでしたが、
兄たちが青ざめる理由を納得したとともに、
自身も血の気が引きました。
豪雨と言わんばかりの雨音がしていたのは、
釣り場から家までの道中にあり、
街灯がまばらにしかついておらず、
自分たち以外の車がいないトンネルの中でした。
本来なら車に雨など降るはずもないトンネルの中。
私「ナマモノのせいかな・・・・」
長兄・次兄「・・・・・・」
それからは帰路まで、兄たちとの会話もなく、
雨音はトンネルを出ると弱まりました。
結局、家に着くまで車の中に聞こえてくる
雨音が途切れることはありませんでした。
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